サービス残業を放置していませんか?

「サービス残業?これまで問題にされたこともないし、
新聞で連日のように報道されているようだけど、大手ばかりだし、
ウチみたいな中小企業には関係ないだろう。それに払えないものはしょうがない…」
サービス残業については、未だ認識が甘く、無頓着な経営者の方々が多いのは事実です。
「経営上の必要悪」「どこでもやっている」「当たり前」という声も聞かれます。

法律上、法定労働時間を超えた労働や休日・深夜労働には割増賃金の支払いが義務付けられています。
これに違反した場合には罰則の規定があるにも拘らず、割増賃金を支払わずに残業をさせている企業が後を絶ちませんが、それでは、サービス残業を放置しておくと一体どうなるのでしょうか?

突然襲ってくるリスク

最近、インターネットの普及に伴い、労働者は様々な情報武装をしています。
労働者の権利意識は相当なもので、今は決して泣き寝入りなどせずに、
堂々と権利を主張してきます。
特に、退職した元従業員から「内容証明郵便」を使って未払い残業代の請求があるケースも、
枚挙に暇ありません。辞めた労働者は何のしがらみもないので、「内容証明郵便」を送り付けてくるのに躊躇はありません。インターネットではそのような知恵を提供するサイトはいくらでもあります。適切な労務管理がなされておらず、明らかにサービス残業があった場合は、抗弁の余地なく支払わざるを得ず、出るところに出ても先ず勝ち目はありません


書類送検されることも…!

事例により後先はありますが、労働者が労働基準監督署に駆け込んで事態が表面化する場合もあります。
労働基準監督署は問題ありと見た事業所に立ち入り調査を行い、過去に遡って割増賃金の支払を是正勧告・指導されるケースも増えています。
是正勧告書は労働基準監督官の行政指導に過ぎず、強制力はありませんが、労働基準法違反が明らかに存在し、そのことを指摘された事実を決して軽く見てはいけません。
仮にきちんと対応をせず、違反状態を放置したり、悪質と見做された場合には、労基法違反の容疑で検察庁に書類送検されることもあり得るのです
少し前の資料ですが、厚生労働省が「賃金不払いの具体的な事例」としてまとめたものがありますが、
是正勧告を機に前向きに問題を捉え、改善を進めた会社であっても、割増賃金の支払いを免れることは出来ません。


強い社会的な要請が背景に・・・

2005年9月30日に発表された厚生労働省の資料でも、
「平成16年4月から平成17年3月までの間に、定期監督及び申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の支払が行われたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったもの」として実に「是正企業数は1,437企業、対象労働者数は169,111人、支払われた割増賃金の合計は226億1,314万円である」となっています。
会社の規模や状況により一概には言えませんが、数百万から数千万円、なかには億を越える支払いを余儀なくされるケースもあります
連日のように新聞の紙面を飾るサービス残業問題ですが、厚生労働省は賃金不払残業の取締りの手綱を決して緩めることはないと考えられます。むしろ、摘発された事例は氷山の一角に過ぎず、それどころか依然として多い水準にあると見ているようです。
この背景にはあの電通事件が引き金になり、厚生労働省が過労死・過労自殺対策に本腰を入れていることがあります。すなわち、行政のサービス残業撲滅に対する強い取り組みは、企業が安全・健康に対する配慮義務をないがしろにしているが為に、長時間労働による過労が労働者を死に追いやる実態が明らかになり、その是正を求める強い社会的な要請が背景にあるものと言えます。
企業としてはサービス残業の解消は、避けて通ることができない問題なのです。


対応の鍵は就業規則にあり

ところで、御社の就業規則はどうなっていますか?まさか、机の抽斗や金庫に眠ったりはしていませんか?
労務管理において重要なのは就業規則です。「就業規則があると、会社が縛られる・・・」と誤解する経営者の方がいらっしゃいますが、それは内容次第です。会社を苦しめるものもあれば、会社を守ってくれるものもあります。私がお勧めするのは、勿論後者です。
就業規則はただ作ればいいというものではありません。書店やネットで入手できる雛形就業規則や行政機関が配布しているモデル就業規則等をそのまま使うのは大変危険なことです。
モデルや雛形就業規則では個別の会社の労務管理の実態や会社の意図に適合せず、建前に終始し、就労実態との乖離が様々な労使トラブルを発生させる原因にもなり得るからです。
きちんと作成した就業規則はただの紙切れではありません。いざ、という時に無用な労使トラブルから会社を守ってくれる力強い味方になります。就業規則見直しに当たっては、押さえるべきポイントがいくつかありますが、その最大のものの一つがサービス残業の問題なのです。
労働条件のうち、賃金、労働時間、休日・休暇はとりわけ重要なものですが、サービス残業はまさに賃金、労働時間、休日・休暇の不適切な管理が露呈したものであり、その意味では、サービス残業の解消への取り組みは労務管理の急所を押さえることになります。

就業規則を作成することの本質は、労務管理をきちんと行うことです。就業規則の見直しとは就労実態を改善することに他ならないのです。
サービス残業の問題は、職場に埋められた“地雷”のようなものです。いつ踏んでしまうか分からない・・・そんな不安はここまでにしましょう!

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